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相続登記の義務化

先日スーパー銭湯の露天風呂で転倒し、右膝を打撲した大阪吹田の司法書士・社会保険労務士・行政書士の伊藤貴胤です。

かなり久々の更新です。島本町・吹田市・支部相談と相談当番が続いていますが、最近の相談は相続に関する相談がほとんどです。相続登記義務化の改正が影響しているのでしょうか。

相続登記義務化に関する改正法が令和6年4月1日から施行されます。

(相続登記の義務化)
相続により不動産の所有権を取得した者は、相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内に不動産の名義変更をしなければなりません。違反した場合10万円以下の過料の対象となります。遺贈(相続人への遺贈に限る)も同様です。

改正法以前から相続登記していない不動産にも適用されます。

(相続人申告登記)
遺産分割がまとまらず速やかに相続登記ができない場合は、相続人であることを申告することにより相続登記の義務を免れる制度が設けられました。申告がなされた場合、法務局の登記官が登記簿に申告した者の住所氏名を付記登記します。
この登記は相続登記でなくあくまで申告義務を一旦免れる制度に過ぎないので、遺産分割協議が成立した場合は、遺産分割の日から3年以内に不動産の名義変更の手続きを行う必要があります。

その他いくつかの改正点もありますが、それはまた後日にでも。

とにもかくにも相続登記が義務化されたことにより、今後は速やかに相続登記をすることが求められます。相続登記でお困りの際はお気軽に相続登記の専門家である司法書士にご相談下さい。

抵当権抹消登記の申請人②

このままコロナが落ち着いたら久々に山へ行きたい大阪吹田の司法書士・社会保険労務士・行政書士の伊藤貴胤です。

日曜にモンベルに行き、登山欲がうずうずして来ました。

                                                                   
【共有者の一部が死亡している場合の抵当権抹消登記】
                                                                   
不動産の所有者が亡くなった後で住宅ローンが完済になり、抵当権が消滅した場合には、原則として相続登記をして相続人名義に名義変更をした後でなければ、抵当権抹消登記をすることはできません。 
                                                                 
しかし、不動産が共有である場合に、共有者の1人が死亡した後で抵当権が消滅したときは、上記の例外的取扱により、共有者の一人から抵当権抹消登記を申請すれば、事前に相続登記をすることなく抵当権抹消登記をすることが可能です。
                                                                   
ただし、共有者の1人から保存行為として登記の手続を申請することができるのは、あくまで抵当権抹消登記までです。
                                                                    
たとえば、抵当権を抹消した後に当該不動産を売却して所有権移転登記をする場合や、ローンを借り換えて別のローンを組んで抵当権設定登記をしようとする場合、亡くなった共有者について相続による共有持分移転登記(相続登記)をしなければ、最終的な目標を達成することはできませんのでご注意ください。

抵当権抹消登記の申請人①

本日は隣接建物に爆破予告があったため大阪家庭裁判所は閉鎖となったらしい。なんか物騒なニュースが多くて今後が不安な大阪吹田の司法書士・社会保険労務士・行政書士の伊藤貴胤です。

花金なので平和に過ごしたいですね。

事件忘備録。
                                                                   

【抵当権抹消登記の申請人】

一般的に、住宅ローンを組んで不動産を購入した場合、購入時にはその土地建物に抵当権を設定し、住宅ローンを完済した際には、当該不動産に設定されている抵当権の抹消登記を申請します。
                                                                
ローンが完済しても、土地や建物に付けてしまった抵当権は自動的には消えず、銀行等が手続きしてくれるわけでもなく、抵当権抹消登記を別途自ら申請しなければなりません。
                                                                  
この抵当権抹消登記の申請手続は、抵当権設定者(つまり、土地や建物の所有者)が登記権利者(登記をすることにより形式上メリットのある方)と抵当権者(金融機関等)が登記義務者(登記をすることにより形式上不利益となる方)となり、両者の協力の下で手続をします。
                                                                  
では、不動産の名義が複数の方の共有になっている場合、その共有者の全員が抵当権抹消登記を申請しなければならないのでしょうか?
                                                                  
【共有不動産の抵当権抹消登記の申請人】
                                                                 
これから抵当権抹消登記を申請する不動産の名義が、一人(つまり、全部一人で持っている)のものではなく、他の共有者の方と共同の名義である場合、他の共有者の方全員が登記の手続に関与しなければならないとすると、手続上ちょっとめんどくさいですよね。
                                                                  
そこで、抵当権抹消登記において、登記権利者(つまり、所有者)が共有の場合には、その共有者のうちの1人から抵当権抹消登記の申請をすることが認められています。
                                                                  
これは、不動産上に設定された抵当権の抹消登記の手続が民法のいうところの「保存行為」に該当すると考えられるためです。
                                                                 
つまり、共有者みんなの利益のために全員を代表して行う、という感じです。
                                                                 
抵当権抹消登記を我々司法書士にご依頼頂く場合にも、お客さまからの委任状は、共有者の1人から頂ければ十分ということになります。
                   
                                             
抵当権抹消登記のご相談は司法書士まで。

関係ありませんが、最近NETFLIXにはまってます。週末はNETFLIXで自粛です。

相続登記と公正証書遺言

早くも6月中旬となり、今年も半分残っていません。いつも通り無意味に焦っている大阪吹田の司法書士・社会保険労務士・行政書士の伊藤貴胤です。

何があっても動じない大人になりたい。。。

事件忘備録。

法律的に有効な遺言書がある場合、通常の相続登記とは異なり必要書類が少し簡単です。

法定相続人による遺産分割協議は不要ですし、法定相続人が誰であるかを証明するための戸籍等も要りません。

相続の開始時において適法な相続人であることが証明できる戸籍謄本があれば、その他の戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本は不要となります。

遺言書がある場合の相続登記の必要書類は以下のとおりですが、相続人が兄弟姉妹の時は若干注意が必要です。

 
【遺言書がある場合の相続登記の必要書類一覧】

(1)亡くなられた方の最終の戸籍謄本
(2)被相続人の住民票、もしくは戸籍の附票
   ※登記された住所から、最終の住所までの沿革を証明できるものが必要です。
(3)登記を受ける相続人の戸籍謄本及び住民票
(4)固定資産税評価証明書
(5)遺言書
   ※公正証書遺言でない場合には、家庭裁判所の検認を受ける必要があります。
                                                                       

相続を受ける方が兄弟姉妹の場合は、相続順位が第3順位の法定相続人であるたえめ、

先順位の相続人である子、両親(祖父母も含む)がご健在であれば、相続人になることができません。

そこで、先順位である両親、祖父母が亡くなっていることが確認できる戸籍謄本や除籍謄本等も必要となります。

                                                                      
【遺言書がある場合で、兄弟姉妹が相続する場合の必要書類一覧】

(1)亡くなられた方の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍
   ※子がいないことを証明するため、12~13歳頃から亡くなられるまでの分の戸籍謄本等が全て必要。
(2)両親と祖父母が亡くなられていることが確認できる戸籍謄本
(3)被相続人の住民票、もしくは戸籍の附票
   ※登記された住所から、最終の住所までの沿革を証明できるものが必要です。
(4)登記を受ける相続人全員の戸籍謄本及び住民票
(5)固定資産税評価証明書
(6)遺言書
   ※公正証書遺言でない場合には、家庭裁判所の検認を受ける必要があります。

休業要請外支援金と司法書士

なかなかズームミーティングに慣れることができない大阪吹田の司法書士・社会保険労務士・行政書士の伊藤貴胤です。

大阪府は、新型コロナウイルス感染症の蔓延に係る休業要請に協力した事業者に対して、「休業要請支援金」を支給しているところです。
                                                                 
この支給対象となった事業者以外においても、自主休業や外出自粛等に伴う売上減少等で経営に深刻な影響が生じています。
                                                                     
休業要請支援金の支給の対象にならなかった事業者であって、府内に事業所を有する中小法人及び個人事業主を対象として、家賃等の固定費を支援し、事業継続を下支えする「休業要請外支援金」を支給することになりました。
                                                                   
詳細な要件等は大阪府のホームページをご確認ください。
                                                                                                                                 
(専門家による申請書類の事前確認について)

この休業要請外支援金を個人事業主が申請する場合については、専門家による申請書類の事前確認を「無料」で受けられる制度があります。
                                                                  
個人事業主による支援金の支給申請に先立って、申請書類、添付書類に不備がないこと、申請要件を満たしているかどうかを、司法書士等の専門家による事前確認書行い、申請手続きの円滑化を図るものです。
                                                                    
(なお、原則として書類が揃っているかのチェックであって、申請書類の作成支援や書類の内容について専門家が審査をするわけではありません。)
                                                                  
この対象となる専門家に司法書士が加わりました。【6月5日更新】

管理組合法人の役員変更の登記

最近物忘れや凡ミスが多い大阪吹田の司法書士・社会保険労務士・行政書士の伊藤貴胤です。

おそらく以前も書いた気がしますが、たまにすると忘れるので忘備録。

【管理組合法人の役員変更の登記】

管理組合法人とは、建物の区分所有に関する法律(区分所有法)に基づき設立される法人です。

(管理組合法人の役員)

管理組合法人は、1人以上の理事及び監事を置かなければなりません。

理事は、管理組合法人を代表します。
理事が数人いる場合、各自が管理組合法人を代表するのを原則とします。

(理事及び監事の任期)

理事及び監事の任期は、2年です。
ただし、規約で3年以内において別段の期間を定めたときは、その期間となります。

(理事及び監事の選任)

管理組合法人の理事及び監事は、規約に別段の定めがない限り、集会の普通決議により選任します。

(代表理事の選定)

管理組合法人の理事は、各自代表権を有するのを原則としますが、次の方法により特定の理事のみを代表権を有する理事とすることができます。

①規約若しくは集会の決議によつて、管理組合法人を代表すべき理事を定める

②規約の定めに基づき理事の互選によつて管理組合法人を代表すべき理事を定める

共同代表の定め

規約若しくは集会の決議によつて、数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定めることができます。

(管理組合法人の代表権を有する者の変更登記の手続)

①理事の各自が代表すべき理事の場合
理事の資格により理事全員の氏名及び住所を登記します。

②特定の理事を代表すべき理事に定めた場合
管理組合法人を代表すべき理事と定められた理事のみが、理事の資格でその氏名及び住所を登記します。

代表権を有しない理事、監事の氏名及び住所は登記事項ではありません。

(登記申請に必要な書類)

・理事の選任を証する書面

集会議事録
理事の選任に係る集会議事録を添付します。

集会議事録への署名押印
議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならないとされています。

①選任された理事各自が管理組合法人を代表すべき理事である場合、

②規約の変更により管理組合法人を代表すべき理事を定めた場合、

③集会の決議により管理組合法人を代表すべき理事を定めた場合は、

集会議事録には議長及び出席した区分所有者の2人が実印で押印し、その印鑑に係る市町村作成の印鑑証明書を添付する必要があります。

ただし、法務局に印鑑を提出している理事が、法務局に提出している印鑑で押印した場合は、市町村作成の印鑑証明書の添付は不要です。

・理事就任を承諾したことを証する書面

就任承諾書
集会議事録に、総会の席上で就任を承諾した旨の記載があれば、集会議事録の記載を援用することができ、別途就任承諾書を添付する必要はありません。

・代表すべき理事を理事の互選により選定したことを証する書面

規約
規約に互選に関する定めがあることを明らかにするために添付します。

・互選書
理事の互選によって管理組合法人を代表すべき理事を定めた場合には、理事の過半数の一致があったことを証する書面に押された互選に係る同意をした理事全員の印鑑について、市町村長の作成した印鑑証明書を添付します。
ただし、法務局に印鑑を提出している理事が、法務局に提出している印鑑で互選書に押印した場合は、市町村作成の印鑑証明書の添付は不要です。

・就任承諾書
代表すべき理事に就任することを承諾したことを証する就任承諾書を添付します。

(お問い合わせ)

大阪府吹田市を中心に業務を行っていますが、大阪府以外にお住まいの方もご相談・ご依頼承ります。

管理組合法人の役員変更の登記に関するご相談、ご依頼はいとう事務所にお問合せください。

新型コロナウィルス感染症に関する対応について

平素より当事務所をご利用いただき、誠にありがとうございます。
                                                                  
新型コロナウイルスに関連した感染症について、お客様の安心・安全確保の観点から当事務所では下記の対応を行っております。
                                                                    
ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。    

                                                                                                                                                                                                                                               
【事務所対策】
                                                                 
1、感染症防止対策として、入り口にアルコール手指消毒剤をご用意しております。入室前にぜひご活用ください。
                                                                 
2、感染症拡大予防のため、司法書士及び所員は必ずマスクを着用しています。
                                                                
3、飛沫感染対策のためスタンド付き透明アクリルパーテーションを相談室の各机に設置して、
  お客様とパネル越しにご相談させていただきます。
  聞き取りにくい点もあるかと思いますがご理解をお願いします。

  
                                                                      
【ご来所される方へのお願い】
                                                                   
・飛沫感染防止の観点から、来所の際はマスク着用をお願い致します。
                                                                      
・来所されましたら、備付の消毒液による手指消毒にご協力ください。
                                                                    
・37.5度以上の発熱等、体調不良や違和感、何らかの症状がある方は、ご来所をお控えください。
                                                                                                                                当事務所としましては,新型コロナウィルス感染症終息の目途が立たない状況の中,感染症拡大防止に向けた社会的責務を果たしつつ,法的なサービスの力を必要とされる方々へ、充実したサービスを提供するという司法書士事務所としての使命を果たしてまいりたいと考えております。

建設業(石工事)

今日から6月です。月変わりは気分も一新したい大阪吹田の司法書士・社会保険労務士・行政書士の伊藤貴胤です。

そんなに多くはないですが、時折している建設業。

忘備録。

                                                                        
建設業における「石工事業」とは?

                                                                      
(石工事の概要)

石材(石材類似のコンクリートブロック・擬石を含む)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事

                                                                 
(石工事の例)

石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事

                                                                 
(石工事の許可業種区分の考え方)

「とび・土工・コンクリート工事」における「コンクリートブロック据付け工事」並びに「石工事」及び「タイル・れんが・ブロック工事」における「コンクリートブロック積み(張り)工事」間の区分の考え方は、
                                                                          
①根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等が「とび・土工・コンクリート工事」における「コンクリートブロック据付け工事」です。
                                                                         
②建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事等が「石工事」における「コンクリートブロック積み(張り)工事」です。

                                                                                                                                       
③コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等が「タイル・れんが・ブロック工事」における「コンクリートブロック積み(張り)工事」で、エクステリア工事としてこれを行う場合を含みます。
                                                                        
石工事は②ということになります。
                                                                                                                                  
アフターコロナの世界平和を願いつつ本日の業務終了です。

書面決議・みなし決議

徐々に人出が増えつつあるのを眺めながら、平穏な日々を願う大阪吹田の司法書士・社会保険労務士・行政書士の伊藤貴胤です。

株主総会開催の時期ですが、コロナの影響で株主総会を開けないところも多々あると思います。

そこで株主総会や取締役会を開催しない手続きの復習です。

<みなし株主総会(書面決議・みなし決議)-会社法第319条1項>

株主(議決権を有する株主に限ります)の全員が、株主総会で決議する事項について賛成・同意しているケースにおいても、わざわざ時間を合わせて一同に会し、実際に株主総会を開催しなければならないとなると会社にとっても株主にとっても負担がとても大きくなってしまいます。

そこで、

会社法第319条第1項によると、全ての議決権のある株主が、株主総会で決議する事項について賛成・同意する旨の意思表示を書面または電磁的記録による意思表示をした場合には、株主総会の開催および決議を省略できるとされています。

この方法による株主総会決議を、みなし株主総会決議あるいは株主総会のみなし決議といったりします。

書面または電磁的記録による意思表示が必要ですので、口頭での同意ではだめで、電子メールでの同意は可能ということになります。

(株主総会の決議の省略)

「会社法第319条第1項」

取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。

(株主総会の目的である事項の提案者)

株主総会の目的である事項(取締役の選任など)を、みなし株主総会決議により行う場合、当該事項を提案できる者は取締役または株主とされています。

(みなし株主総会決議の成立日)

みなし株主総会決議は、議決権のある株主全員の同意の意思表示が会社に到達した日に成立します。

5月30日に決議があったとみなしたい場合でも、5月30日までに同意書を会社まで返送してくださいと4月末頃に株主に提案書・同意書を送付すると、5月25日までに全員の同意書が揃ってしまう場合もあるかもしれません。

5月25日に全員の同意書が揃ったのであれば、株主総会の決議があったものとみなされた日は5月25日となります。

決議日を調整する場合、「なお、5月30日に決議の効力が発生します。」などのように決議に期限を設ける方法や、会社の役員等が株主の1人なのであれば、当該役員が同意書を5月30日に提出しタイミングを調整するような方法が考えられます。

(みなし株主総会議事録)

みなし株主総会決議が成立したときも、実際に株主総会を開催したときと同様に株主総会議事録を作成し保存しておかなければなりません。

みなし株主総会決議にかかる株主総会議事録の記載事項は次のとおりです。

1.株主総会の決議があったものとみなされた事項の内容
2.提案をした者の氏名
3.株主総会の決議があったものとみなされた日
4.議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

(登記申請の添付書類として提出)

取締役の就任の登記のように、株主総会議事録をその登記申請の添付書類として提出する必要があるケースでは、みなし株主総会議事録も取締役の選任を証する書面として提出することができます。

提案書と同意書は提出する必要がありません。

なお、みなし株主総会議事録を添付書類として提出するときも、株主リストの添付は必要です。

(定時総会でも利用可能)

みなし株主総会決議は、臨時株主総会だけではなく定時株主総会においても利用することができます。

定時株主総会において報告事項がある場合は、会社法第319条第1項ではなく会社法第320条により、株主全員に当該報告があったとみなすことができます(株主総会への報告の省略)。

当該報告があったとみなされた事項も株主総会議事録に記載する必要があります。

・株主総会への報告があったものとみなされた事項の内容
・株主総会への報告があったものとみなされた日
・議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

(株主総会への報告の省略)

「会社法第320条」

取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。
                                                                                                                                                                                                       
                                                                        

※なお、中小企業等協同組合法には会社法319条(株主総会の決議と省略)と同様の規定がありません。書面決議のみで開催を省略する、いわゆる「みなし総会」は認められませんのでご留意ください。

○ 書面決議書のみで総会の開催を代替することは不可であるため、会議体自体は設ける必要があります。しかしながら、書面、電磁的方法又は代理人をもって議決権を行使できる旨を定款で定めている組合においては、これらを活用して開催することにより、当日会場に参集する本人出席者数を少なくすることが可能になります。

○ 理事会については、定款の「理事会の決議」の条文内に「理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす。」の規定がある組合の場合、書面又は電磁的な方法で理事会の決議があったものとみなすことができます

(今回の復習はこれが主な目的だったりします。)

                                                                                                                                                                                                        

<みなし取締役会(みなし決議・書面決議)-会社法第370条>

(取締役会決議があったものとみなすことができる)

取締役(当該決議事項について議決に加わることができる取締役に限ります)の全員が、取締役会で決議する事項について賛成・同意しているケースにおいても、わざわざ時間を合わせて一同に会し、実際に取締役会を開催しなければならないとなると各取締役にとっては負担が大きくなってしまいます。

そこで、

会社法第370条によると、全ての議決に加わることのできる取締役が、取締役会で決議する事項について賛成・同意する旨の意思表示を書面または電磁的記録による意思表示をした場合で、かつ監査役が異議を述べなかった場合は、取締役会の開催、決議及び報告(報告については会社法第372条)を省略できるとされています。

この方法による取締役会決議を、みなし取締役会決議あるいは取締役会のみなし決議といったりします。

(取締役会の決議の省略)

「会社法第370条」

取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。

(取締役全員の同意)

書面または電磁的記録による意思表示が必要ですので、口頭での同意ではだめで、電子メールでの同意は可能いうことになります。

電子メールの場合、メールの本文に提案内容を記載して送信し、メールの本文に同意する旨を記載して返信をしてもらう方法や、提案内用を記載した用紙のPDFを送信し、当該用紙のPDFに署名押印したもののPDFを返信してもらう方法などがあります。

テレビ会議や電話会議は、実際に開催する取締役会に該当しますので、会社法第370条のみなし取締役会決議とは別のものとなります。

(同意が必要な取締役)

みなし取締役会決議の成立には取締役全員の同意が必要とされており、これは決議の目的である事項について提案をした取締役についても同様です。ですので、提案者たる取締役の同意書も忘れずにもらっておかなくてはなりません。

当該決議の目的である事項について利害関係のある取締役は、当該事項について議決に加わることができませんのでその同意書は必要ありません。

(定款の定めが必要)

会社法第319条第1項のみなし株主総会決議と異なり、会社法第370条のみなし取締役会決議を行う場合は、当該会社の定款にその旨の記載が必要です。

(登記申請時、みなし取締役会議事録を添付するときは定款の添付も必要)

取締役会の本店移転(取締役会で本店を決定したとき)や自己株式の消却、代表取締役を選定にかかる登記申請をするときは、取締役会議事録を添付しなければなりませんが、この取締役会議事録はもちろんみなし取締役会議事録でも問題ありません。

但し、みなし取締役会決議を行うにはその旨の定款の記載が必要とされていることから、定款も併せて添付することになります。

(みなし取締役会決議に関する定款記載例)

第○条 当会社は、取締役が提案した決議事項について取締役(当該事項につき議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意したときは、当該事項を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす。但し、監査役が異議を述べたときはこの限りでない。

※業務の範囲が会計に関するものに限定されている監査役しかいない会社では、但書以降の記載は不要です。

(監査役の同意は不要だが異議を述べられたらみなし決議不成立)

監査役の同意は必要とされていませんが、監査役が異議を述べた場合は会社法第370条によるみなし取締役会決議は不成立となってしまいます。

監査役の異議を述べるタイミングは、例えば「取締役全員が同意する前に」「提案があってから1週間以内に」などの期限が定められているわけではありません。取締役全員が同意をしてみなし取締役会決議が成立したと安心した後に、監査役から異議述べられてしまう可能性もあるかもしれません。

そのため、実務上は異議がないことを証する書面へ監査役に署名(や押印)をいただくことが多いです。

なお、業務の範囲が会計に関するものに限定されている監査役は、そもそも取締役会に参加義務がありませんので、異議を述べることができません。

(取締役会への報告事項の省略)

会社法第372条1項によると、取締役及び監査役の全員に対して、取締役会に報告すべき事項を通知したときは、実際に取締役会を開催して報告することは不要となります。

なお、業務の範囲が会計に関するものに限定されている監査役に対しては当該通知をする必要はありません。

(3ヶ月に1回以上の業務執行状況の報告は省略できない)

代表取締役または代表取締役以外の取締役で当該会社の業務執行をする取締役として、取締役会決議によって選定されたものは、3ヶ月に1回以上、自身の職務の執行状況を取締役会に報告をしなければなりません(会社法第363条)。

この代表取締役の職務の執行状況の報告については、取締役会の開催を省略して報告をしたものとみなすことはできません(会社法第372条2項)。

(取締役会への報告の省略)

「会社法第372条」

1. 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。

2. 前項の規定は、第363条第2項の規定による報告については、適用しない。

3項省略

(みなし取締役会議事録)

取締役会議事録は、書面または電磁的記録をもって作成しなければならないとされています。これは会社法第370条によるみなし取締役会決議についても当てはまります。

みなし取締役会議事録(決議)の記載事項

 1.取締役会決議があったものとみなされた事項の内容
 2.上記事項の提案をした取締役の氏名
 3.取締役会の決議があったものとみなされた日
 4.議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

取締役会への報告を省略した場合の記載事項

 1.取締役会への報告を要しないものとされた事項の内容
 2.取締役会への報告を要しないものとされた日
 3.議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

(みなし取締役会議事録への押印)

実際に取締役を開催した場合の取締役会議事録には、それが書面で作成されている場合は出席取締役・出席監査役が署名または記名押印をしなければなりません(会社法第369条3項)。

業務の範囲が会計に関するものに限定されている監査役は取締役会への出席義務はありませんが、出席したときは当該監査役にも署名または記名押印義務が発生します。

さて、みなし取締役会議事録の場合は、取締役・監査役の署名または記名押印は、法律上は必要ないとされています。取締役会の実際の開催が省略されているため、取締役会への出席者がおらず、署名または記名押印の義務を負う者がいないためです。

もちろん、みなし取締役会議事録に取締役全員が署名または記名押印をしてもいいですし、代表取締役のみが会社実印を押印するケースもあります。

(代表取締役選定のみなし取締役会議事録への押印)

取締役会議事録を添付して代表取締役の変更登記をするときは、取締役会議事録に前代表取締役が会社実印での押印がない限り、みなし取締役会決議事項に同意した取締役全員が取締役会議事録に実印で押印し、かつ取締役全員の印鑑証明書を添付しなければなりません(商業登記規則第61条4項)。

みなし取締役会議事録への取締役全員の実印押印に代えて、取締役の同意書に実印押印をしたものでも登記手続き上は問題はありません。

なお、この場合監査役の実印押印及び印鑑証明書は不要とされています。

相続放棄と成年後見人

大阪の緊急事態宣言が解除され徐々に平穏な日常に戻ることを切に願う大阪吹の司法書士・社会保険労務士・行政書士の伊藤貴胤です。

今後も大変な状況は続くとは思いますが、少しでもできることから始めたいと思います。

(事件忘備録)

相続放棄をする人が認知症で判断能力がないような場合に相続放棄出来るのでしょうか?

認知症である場合には相続放棄を自ら行うことは出来ません。

相続放棄の手続を家庭裁判所に行うためには、「相続放棄をする」という判断能力が必要となります。

残念ながら認知症の方には、そのような判断能力が無い方が大半ですので、相続放棄ができないことなってしまいます。

そのため後見人の選任を家庭裁判所に申立てて、後見人が代わって相続放棄の手続きを行っていくことになります。

(後見人の場合の熟慮期間)

相続放棄出来る期間は「被相続人(死亡した人)の死亡を知り、自分が相続人となったことを知った時から3か月以内」です。

でも、成年後見人選任までに3か月経過してしまうのでは?

成年後見人の選任申立てを家庭裁判所にした場合、成年後見人が選任されまで1か月から2か月程度かかります。

その為、相続放棄の申立期間である3か月が経過してしまうことも考えれます。

この点に関し、判例等は見当たりませんが、民法917条の趣旨に沿って、

成年後見人選任後3か月以内であれば、相続放棄の手続を認めれることが多いかと思われます。

(その他注意点)

①相続放棄の手続だけの為に成年後見制度は利用できない事です。

その為、相続放棄手続が終了したとしても、被後見人の方が死亡するまで、成年後見人制度は続くこととなります。

②成年後見人に相続人の方が選任された場合、相続放棄の手続が利益相反となり、相続放棄の手続を代理できないこととなります。

ただし、成年後見人も相続放棄している場合は、利益相反とは認められず、相続放棄の手続の代理をするこが可能となります。(最判昭53・2・24民集32・1・98)

(全く関係ない余談)

昨日、とある司法書士の同期から久々に連絡が来ました。

今年大阪で開業したとのことです。おまけに今後は社労士も登録する予定だとか。

なんだか私と似た感じです。

連絡があってちょっぴり嬉しくなりました。

些細なとりとめない話が今の時期はなんだか安心したりします。

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