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任意後見契約と見守り契約

もうすぐ確定申告の時期ですが、例年のごとく1年分まるまる帳簿入力が終わっていない(毎年必ず後悔してます・・・・・でも、直りません・・・・・)、大阪吹田の司法書士・行政書士の伊藤貴胤です。

 

さて、新人さん向けに任意後見のお話をするのも、気づけば来月に迫っています。

 

そこで、久々に任意後見のお話の続きです。

 

久々過ぎるので、簡単におさらいを。

 

任意後見契約は、

①元気なうちに信頼できる人を任意後見人として決めておく。

②任意後見人に代わりしてもらうことを決めておく。

③実際に判断能力が不十分になったら、任意後見人を監督する任意後見監督人を裁判所に選んでもらい、

そこから任意後見契約がスタートし財産管理等が始まる。

 

という内容の契約を公正証書でするというものです。

 

ですので、任意後見契約を結んでも、すぐに任意後見人さんが代わりにしてくれる訳ではありません。

 

極端な話をすれば、任意後見契約を60歳の時に結んだ人が、に判断能力が不十分となった年齢が80歳だとすると、20年間もの間原則放置状態です。

 

任意後見契約を結んだ後、本人さんと任意後見人となる人との交流がない場合には、

本人の判断能力が低下しているにもかかわらず、適切な時期に任意後見監督人の選任の申立てがなされないまま放置される事態も考えられます。

 

先日お話した「 財産管理等委任契約 」を同時に結んでいれば別ですが、そうでない場合には、

この放置状態の間に、財産的被害にあう可能性のあります。

例えば、親族さんのいない一人暮らしのお年寄りの場合、判断能力が低下していることに気付かないで、

詐欺や悪徳商法にだまされることもあります。

 

悪徳商法は、時には強引に、時には巧妙に、お年寄りに近寄ってきますので、判断能力のある方でもだまされてしまうことがあります。

 

そして、一度被害にあって失った財産を取り戻すことは現実問題容易なことではありません。

 

このような状況を防ぐために、任意後見契約とは別に、

任意後見人になる予定の人が定期的に本人さんと面談したり連絡したりすることによって、

本人さんの安否や心身の状況を把握するという内容の契約を締結しておくと安心です。

 

このような契約のことを一般的に 「 見守り契約 」と呼んでいます。

 

任意後見契約と見守り契約をセットで結んでおくと、財産的被害にあう危険を少なくした上で、

適切な時期に、適切な財産管理へスムーズに移行できることになります。

 

これで、仮に財産管理等委任契約を別途結んでいなくとも、とりあえずは一安心です!!

 

それでは、お仕事!!

 

 

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