日曜に年内最後の登山で比叡山へ行き、心身ともにリフレッシュした大阪吹田の司法書士・行政書士の伊藤貴胤です。
本日は、成年後見人の印鑑証明書のお話。
平成30年1月1日より専門職後見人が届け出た印鑑(職印)に関する裁判所書記官による専門職後見人等の印鑑証明書発行が行われることになりました。
専門職後見人は、後見登記の「住所」欄に、自宅の住所ではなく、事務所の所在地を載せることが多いため、
従来、印鑑証明書を提出する必要がある場合には、登記事項証明書(事務所所在地記載)と個人の印鑑証明書(自宅住所記載)の両方の提出が必要でした。
特に、登記申請書の添付書類である印鑑証明書は、原則として市区町村長又は登記官が作成するものに限られます(不動産登記令16条2項)。
そうすると、登記事項証明書と個人の印鑑証明書を提出することになるので、後見人の住所が相違することとなり、
登記事項証明書と個人の印鑑証明書が同じ人であることを証明するための書類(所属の会は発行する登録事項証明書)がさらに必要になります。
結局、印鑑証明書が必要となるときは、3つの書類が必要になるわけです。
なんてめんどくさい。しかも手数料かかります。
中には、自宅住所が見られるのが嫌だと感じる専門職後見人の方もおられます。
(私は全くもって気になりません。笑)
そんな専門職後見人の方のために登場するのが裁判所書記官が発行する印鑑証明書です。
不動産登記令16条2項の例外として、
「裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合」
と定められています(不動産登記規則48条1項3号)。
裁判所書記官が発行する後見人等の印鑑証明書はこの例外規定にあたるわけです。
裁判所書記官の作成する印鑑証明書は、事務所所在地が記載されているので、
上記のように3つも書類を用意する必要がなくなるわけです。
しかも、書類から自宅住所を知られることもありません。
便利だし、事務所住所のみで済むし、めでたし、めでたし、というわけです。
では、本日の業務これにて終了です!