寒さと歳で体調不良に陥っている大阪吹田の司法書士・行政書士の伊藤貴胤です。
本日は遺産分割調停と相続登記のお話。
通常の相続登記をする場合は、登記原因証明情報として「相続を証する情報」の添付が必要です。
遺産分割協議による相続登記の場合は、「相続を証する情報」にあたるのは、
「被相続人が出生してから死亡するまでの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の全て」
と遺産分割協議書が必要です。
一方、遺産分割調停による相続登記をする場合は、「相続を証する情報」として
「調停調書 又は 審判書(確定証明書付)」を添付します。
この調停調書は正本でなくとも謄本でも構いません。
この調停調書に基づいて相続登記を申請する場合は、
「被相続人が出生してから死亡するまでの戸籍謄本等の全て」は不要とされており、
調停調書を添付するのみで可能です。
ただし、調停調書に被相続人の死亡年月日が記載されていないときは、
被相続人の死亡を証する戸籍又は除籍の抄本が必要です。
家庭裁判所へ遺産分割調停の申立てをする際には、
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等の全てと、
相続人全員の戸籍謄本および戸籍付票(または住民票)を提出するので、
遺産分割調停は、上記に基づき相続関係を明らかにした上で行われるので、
相続登記の際にあらためて戸籍等の提出をする必要はないとされています。
調停調書による相続登記は一見難しそうに聞こえますが、
添付書面の観点からすると、通常の相続よりも手間が省けます。
しかしながら、調停調書で定められた調停の条項が登記手続きに適正な条項かどうかは、
また別問題なので、やはり遺産分割調停において、登記手続きが絡む場合は、
事前に司法書士にご確認頂いた方が確実です。
権利意識が高まる風潮にある昨今、遺産分割調停もますます増えると想定されます。
せちがらい世の中だなぁ。。。。。